カテゴリ
全体お知らせ '09Italia-Firenze '09Italia-Firenze近郊 '09Italia-Venezia '09Italia-Trieste '09Italia-Lecce '09Italia-Otranto '09Italia-A.bello '09Italia-L.tondo '11France-Paris '09Italia-Matera '13Holland-Ams '13Italia-Venezia '13Italia-Urbino '15北海道 未分類 以前の記事
2015年 10月2015年 09月 2014年 02月 2013年 11月 2013年 10月 2011年 04月 2011年 03月 2010年 06月 2010年 03月 2009年 12月 2009年 10月 2009年 08月 2009年 07月 フォロー中のブログ
太陽ヲ貴方二 ...地中海と砂漠のあいだ Change by Gr... 毒食わば皿まで イタリアでの徒然なモノ… 私 と 消 え た 日 ... クロアチアの碧い海の夢 フレスコ画研究所 バステ... トスカーナ 「進行中」 ... RED GLOBE ■工房 YUSA ふりつもる線 心の声に耳を傾け。。 r-photo 石のコトバ O r-note A motif ラグーザに流れるもの コッツウォルズ・カントリ... ROSASOLIS 偽の女庭師 京都大原アトリエNORI革日記 鳥人の翼 In orde... daily life a... 日々の皿 スカラベの晩餐 メモ帳
ライフログ
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
月の庭霧多布(アイヌ語のキータプ〈茅を刈るところの意〉に漢字をあてている)はその字の通り、霧の町だった。 あたりが暗くなりはじめた頃、白いベールのような霧の布が海からゆっくりと流れ込み、その帯は瞬く間に町を包み込んだ。 雨は次第に勢いを増し、やがて稲光と共に雷鳴が闇を揺らす。 宿の人が停電に備えて懐中電灯を探している。 屋根を打つ雨音がすぐそばに聴こえる。 太平洋と湿原の間にぽつんと佇む小さな宿は、嵐のなかを航海する一艘の舟のようでとても素敵だった。 布団のなかに潜って、浴びるような雨を聴いていると、いつの間にか深い眠りに落ちた。 霧多布湿原が青空の下できらきらと光っている。今日はここを歩くのだ。 ススキ、サワギキョウ、ノコギリソウ、エゾフウロ、チシマアザミ、ミゾソバにエゾリンドウ。 お月さまの庭のように透きとおった野を 風がゆっくりと渡っていく。 タンチョウのつがいだ。渡ってくるにはまだ早すぎるので、居着きのタンチョウだと思う。 細長い首に赤い帽子、白い羽根に墨をつけたような黒が潔くて、優美だ。 時々、水辺に嘴を差しこんで小魚らしきものを食んでいる。 やわらかな動作で首をもたげて、時々もう一羽の様子を振り返る。 湿原には、タンチョウの刻む時間がゆったりと流れていた。 #
by ai-viaggio
| 2015-10-12 22:18
| '15北海道
森と海のあいだ
根室、春国岱。
滝のようにフロントガラスをたたいていた雨が、春国岱に近づく頃にはぴたりとやんでいた。 雨上がりのすがすがしい空気が海風に乗って流れ込んでくる。 ぶあつい雲の隙間からちいさな青空。 雲の彼方まで続きそうな一本の木道をゆっくりと歩く。 一匹が甲高く無くと、もう一匹がちいさくこたえる。 目を細めて対岸を追っていくと、エゾシカの親子がゆっくりと岸辺を歩いていくのが見えた。 木道が終わり、いつしか足元は砂地になっていた。右手に海、左手に立ち枯れの樹々とその向こうに広がる森、手前に干潟を見ながら風景のなかをただただ歩く。砂州の間を流れる水は悠久の時を刻むようだった。 骨にふれてみる。持ち上げようとすると石のように重くて、表面は流木のように堅くてやさしい。 背骨のひとつひとつは飛行機のプロペラにも似て、なんてきれいなのだろう。 小さい頃から鯨や象は大好きな生き物だった。 しかし、私は鯨のことをほんとうに知っていたといえるだろうか。 鯨の背骨のまわりにゆっくりと肉付けしてみる。このあたりにお腹があって、大きな尾びれがあって・・ ああ、なんというおおきな生き物なんだろう。 おおらかで、豊かであたたかく、重量感があって、こんなにも堂々と生きて死んでゆくなんて。 この鯨はどんな海を渡り、どんな仲間と出逢い、どんな一生を送っただろう。 この一頭が生きてきた海の時間を胸に描き、 草原の土へゆっくり還っていく後の未来を思ったそのとき、 私のなかで鯨という生き物が確かな輪郭をもって、強く迫ってきた。 こんな生き物が共に生きているなんて。 見返れば、かつて鯨の暮らした青い海がしずかに広がっていた。 春国岱に行く前、Nさんが教えてくれた根室の古道具屋さんを訪れた。 そのお店には古道具や本と共に、大きな鯨の頭骨が飾られていて、店主の方とたまたま鯨の話をしていた。 別れ際、これから春国岱を歩くんですよ、と何気なくお話すると 店主の方が、もしかしたら砂州の先に以前打ち上げられた骨がまだ残っているかもしれませんよと教えてくださった。 もう草に埋もれているかもしれないし、目印がないので場所もはっきりとはわからなかったけれど、 そのお話がなかったらここまで歩かず引き返していたかもしれない。 友だちが繋いでくれたご縁に感謝しています。 ありがとう。 春国岱(しゅんくにたい)は、オホーツク海と風蓮湖の間に横たわる細長い砂州です。3千年~千5百年のときをかけ堆積した3列の砂丘には、海岸、草原、湿原、森林、干潟など多様な環境が存在します。春国岱・風蓮湖は、これまでに約310種の野鳥が記録され野鳥の聖域と言われています。根室を代表する自然の宝庫です。 春国岱は奇跡の島と呼ばれています。それには3つの理由があります。一つは、海流によって知床のほうから運ばれてきた砂が、数千年という長い年月をかけて風蓮湖をしきるように堆積し、現在のような地形ができたこと。そしてもう一つは、砂でできた島に草木が生え、海岸とは思えないような幻想的な風景を作り上げたこと。そして最後は、市街地からほど近い所にありながら、ほとんど手付かずの自然が残されていることです。 (春国岱ホームページより) #
by ai-viaggio
| 2015-10-04 23:52
| '15北海道
根室へ根室は風の強い町だった。道からは海か見えなくとも、三方を海に囲まれていることをびりびりと感じる。 この町にもまた、雪の匂いが濃くしみついている。 根室に行った友だちが是非本店に、とすすめてくれた根室花まる寿司さんの それはそれは美味しかったこと!(Nさん、ありがとう!) 口に含んだ瞬間、目をまるくしてしまう。鮮度が抜群にいい。 今にも口のなかで踊りだしそうなほど、身はいきいきとして、きらきらひかっていた。 それにしても、ちょっとショックを受けるほどの美味しさ。 生の秋刀魚って、烏賊って・・こんなに美味しいのだなあ。 大好きなものをはちきれるほどいただき、力がぐぐーと湧いてくる。
#
by ai-viaggio
| 2015-09-19 21:51
| '15北海道
秋のはじまり
あっという間に知床半島を後にする日が来た。
去り難い思いをかき消すように私たちを見送ってくれたのは、溢れんばかりの生命に満ちた川だった。(この日は9月2日) カラフトマスの遡上だ! 壮観だった。 まるで川が脈打ち、鼓動し、意志をもつかのように。
#
by ai-viaggio
| 2015-09-19 21:25
| '15北海道
海の形見知床、オホーツク海の漂着物。 左からイルカの背骨 ウミウ(と思われる)頭骨 エゾバフンウニふたつ(バフンウニは管足孔が4対であるのに対してエゾバフンウニは5対あることで見分けられる。) この海からきたのだなあ! #
by ai-viaggio
| 2015-09-16 22:55
| '15北海道
|