絵描き忠田愛の旅の記録。出会ったものたち。感じたこと。旅行記をゆっくり更新中。
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昆布森の羅臼

知床峠から羅臼の方に降りてゆくと空気が変わる。
羅臼の町は、冬が濃く透けてみえる町だった。
たたきつけるような激しい吹雪と海鳥たちの甲高い声。
知床にも冬の情景を感じるところは多くあったけれど、何か質感が違う。

昼下がりの漁港はとてもしずかだった。
しずまりかえった港に山積みにされているトロ箱や、たくさんの網、フォークリフトなどを見ていると
戦場のように激しい朝の光景や荒くれた海に立ち向かう男たちの声が聞こえてくる。
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羅臼町から車で海岸沿いの道を走り、相泊温泉を目指す。ここは車で行ける最果ての場所。
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道中で。番屋の前にずらりと並べられて干されている羅臼昆布。


相泊温泉は海のすぐ傍に掘られた本当に小さな温泉で、浴槽に簡素な小屋掛けがあった。
足湯でもと近づいていき、思わず眼を見張ったのと同時に勢いよく足を滑らせる。
海岸全体に大量の昆布が打ち上げられ、浴槽周辺を埋め尽くしていたのだ。写真がないことが残念・・。
(バランスを崩して危うく岩に頭をぶつけるところだった。北の果てでぬめる昆布に足をとられて気絶する、を想像。何とシュールな画だったことだろう!)
昆布はヌルヌルと光り、あたりは昆布の匂いが立ちこめていた。
このあたりの海はさぞよい昆布出汁の味がするのではないだろうか。

じっと見ていると狂気に近いようなエネルギーが感じられ、この昆布森が目の前の海に広がっていることを想像すると
うつくしくておそろしかった。
命を育む昆布森の熱量はなんと大きなものなんだろうか。

相泊温泉を後にして、少し戻ったところにあるセセキ温泉に向かうが、ここも潮が満ちていて残念ながら入ることはできなかった。すばらしく野趣あふれた温泉。(北の国からのロケ地でもある。)

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セセキ温泉


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いくつかの浜辺に立ち寄りながら、漂着物を探して歩く。石を手にとると、皆まるく削り取られ、スルスルと滑らかだった。
大きくうねる波が海岸に押し寄せる度に、ガラガラガラガラと石が激しく打ち合わされ、雷のような音がする。

感傷など吹き飛ばしてしまうような むき出しの海と、その恵みや厳しさを受けて暮らす羅臼の人々を、これから昆布を見る度に思い出すだろう。




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by ai-viaggio | 2015-09-14 13:38 | '15北海道
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