アルベロベッロから電車に揺られてほんの15分ほど、隣町のロコロトンドへ遊びに行く。ロコロトンド、丸い場所というその名の通り旧市街は小さな円を描くように家がまるく立ち並んでいる。小さな丘の上にたつこの町からはところどころに固まって立つトンガリ屋根の家やオリーブ畑の波立つイオニアの谷をみおろすことができた。
アーチをくぐり町の中に入ると
そこはまるで小さな白の迷宮。
眩しい白と家々の間から抜ける真っ青な空。
どの家の前にもよく手入れされた花の植木鉢、その色鮮やかさが際立って視界に飛び込んでくる。
このあたりではレース編みが伝統工芸として有名で、時々玄関先の椅子に腰掛けて黙々とレースを編んでいるおばあちゃんを見かけた。少し生成りがかった糸、蜘蛛の巣のように細かく、ところどころに不規則なところもあるそのレースに、ふりつもった時間と南イタリアの朴訥な風土を感じた。
il tempo ritrovato、もう一度みつけられた時間という意味のちいさなレースのお店にて母に星形のレース(ポプリ入り)を買った。