絵描き忠田愛の旅の記録。出会ったものたち。感じたこと。旅行記をゆっくり更新中。
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月の庭

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霧多布(アイヌ語のキータプ〈茅を刈るところの意〉に漢字をあてている)はその字の通り、霧の町だった。
あたりが暗くなりはじめた頃、白いベールのような霧の布が海からゆっくりと流れ込み、その帯は瞬く間に町を包み込んだ。
雨は次第に勢いを増し、やがて稲光と共に雷鳴が闇を揺らす。
宿の人が停電に備えて懐中電灯を探している。
屋根を打つ雨音がすぐそばに聴こえる。
太平洋と湿原の間にぽつんと佇む小さな宿は、嵐のなかを航海する一艘の舟のようでとても素敵だった。
布団のなかに潜って、浴びるような雨を聴いていると、いつの間にか深い眠りに落ちた。

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翌日は夜の嵐が嘘のような晴れ。
霧多布湿原が青空の下できらきらと光っている。今日はここを歩くのだ。

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湿原のなかにまっすぐと伸びる道は、春国岱のそれとよく似ていた。果てしなく広い風景のなかに伸びてゆく道の前に立つ度にまっさらな気持ちになる。

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湿原はすっかり秋だった。(この日は9月3日)
ススキ、サワギキョウ、ノコギリソウ、エゾフウロ、チシマアザミ、ミゾソバにエゾリンドウ。
お月さまの庭のように透きとおった野を 風がゆっくりと渡っていく。
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ツリガネニンジン

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木道終点の展望所に出ると嬉しい出会いが待っていた。
タンチョウのつがいだ。渡ってくるにはまだ早すぎるので、居着きのタンチョウだと思う。
細長い首に赤い帽子、白い羽根に墨をつけたような黒が潔くて、優美だ。
時々、水辺に嘴を差しこんで小魚らしきものを食んでいる。
やわらかな動作で首をもたげて、時々もう一羽の様子を振り返る。
湿原には、タンチョウの刻む時間がゆったりと流れていた。


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# by ai-viaggio | 2015-10-12 22:18 | '15北海道

森と海のあいだ

根室、春国岱。
滝のようにフロントガラスをたたいていた雨が、春国岱に近づく頃にはぴたりとやんでいた。
雨上がりのすがすがしい空気が海風に乗って流れ込んでくる。
ぶあつい雲の隙間からちいさな青空。
雲の彼方まで続きそうな一本の木道をゆっくりと歩く。


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遠くで鹿の鳴き声が聴こえる。
一匹が甲高く無くと、もう一匹がちいさくこたえる。
目を細めて対岸を追っていくと、エゾシカの親子がゆっくりと岸辺を歩いていくのが見えた。

木道が終わり、いつしか足元は砂地になっていた。右手に海、左手に立ち枯れの樹々とその向こうに広がる森、手前に干潟を見ながら風景のなかをただただ歩く。砂州の間を流れる水は悠久の時を刻むようだった。


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砂州が細く細く、海に消えていくその手前の草原に、それはしずかに横たわっていた。

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鯨の骨だ。もう頭骨も肋骨もない。残っているのは背骨だけなのに、それは風景のなかで圧倒的な存在感を放っていた。

骨にふれてみる。持ち上げようとすると石のように重くて、表面は流木のように堅くてやさしい。
背骨のひとつひとつは飛行機のプロペラにも似て、なんてきれいなのだろう。
小さい頃から鯨や象は大好きな生き物だった。
しかし、私は鯨のことをほんとうに知っていたといえるだろうか。
鯨の背骨のまわりにゆっくりと肉付けしてみる。このあたりにお腹があって、大きな尾びれがあって・・
ああ、なんというおおきな生き物なんだろう。
おおらかで、豊かであたたかく、重量感があって、こんなにも堂々と生きて死んでゆくなんて。
この鯨はどんな海を渡り、どんな仲間と出逢い、どんな一生を送っただろう。

この一頭が生きてきた海の時間を胸に描き、
草原の土へゆっくり還っていく後の未来を思ったそのとき、
私のなかで鯨という生き物が確かな輪郭をもって、強く迫ってきた。

こんな生き物が共に生きているなんて。

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見返れば、かつて鯨の暮らした青い海がしずかに広がっていた。




春国岱に行く前、Nさんが教えてくれた根室の古道具屋さんを訪れた。
そのお店には古道具や本と共に、大きな鯨の頭骨が飾られていて、店主の方とたまたま鯨の話をしていた。
別れ際、これから春国岱を歩くんですよ、と何気なくお話すると
店主の方が、もしかしたら砂州の先に以前打ち上げられた骨がまだ残っているかもしれませんよと教えてくださった。
もう草に埋もれているかもしれないし、目印がないので場所もはっきりとはわからなかったけれど、
そのお話がなかったらここまで歩かず引き返していたかもしれない。
友だちが繋いでくれたご縁に感謝しています。
ありがとう。



春国岱(しゅんくにたい)は、オホーツク海と風蓮湖の間に横たわる細長い砂州です。3千年~千5百年のときをかけ堆積した3列の砂丘には、海岸、草原、湿原、森林、干潟など多様な環境が存在します。春国岱・風蓮湖は、これまでに約310種の野鳥が記録され野鳥の聖域と言われています。根室を代表する自然の宝庫です。

春国岱は奇跡の島と呼ばれています。それには3つの理由があります。一つは、海流によって知床のほうから運ばれてきた砂が、数千年という長い年月をかけて風蓮湖をしきるように堆積し、現在のような地形ができたこと。そしてもう一つは、砂でできた島に草木が生え、海岸とは思えないような幻想的な風景を作り上げたこと。そして最後は、市街地からほど近い所にありながら、ほとんど手付かずの自然が残されていることです。
(春国岱ホームページより)


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# by ai-viaggio | 2015-10-04 23:52 | '15北海道

根室へ

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知床から摩周湖斜里線を南下し、中標津から一気に根室まで走る。
根室は風の強い町だった。道からは海か見えなくとも、三方を海に囲まれていることをびりびりと感じる。
この町にもまた、雪の匂いが濃くしみついている。
根室に行った友だちが是非本店に、とすすめてくれた根室花まる寿司さんの
それはそれは美味しかったこと!(Nさん、ありがとう!)
口に含んだ瞬間、目をまるくしてしまう。鮮度が抜群にいい。
今にも口のなかで踊りだしそうなほど、身はいきいきとして、きらきらひかっていた。
それにしても、ちょっとショックを受けるほどの美味しさ。
生の秋刀魚って、烏賊って・・こんなに美味しいのだなあ。
大好きなものをはちきれるほどいただき、力がぐぐーと湧いてくる。

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# by ai-viaggio | 2015-09-19 21:51 | '15北海道

秋のはじまり

あっという間に知床半島を後にする日が来た。
去り難い思いをかき消すように私たちを見送ってくれたのは、溢れんばかりの生命に満ちた川だった。(この日は9月2日)
カラフトマスの遡上だ!
壮観だった。

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何百、何千というカラフトマスがゆっくり上流を目指して動いている。
まるで川が脈打ち、鼓動し、意志をもつかのように。
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森ではヒグマや狐、シマフクロウや鷲たちがご馳走を今か今かと待っていることだろう。

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# by ai-viaggio | 2015-09-19 21:25 | '15北海道

海の形見

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知床、オホーツク海の漂着物。
左からイルカの背骨
ウミウ(と思われる)頭骨
エゾバフンウニふたつ(バフンウニは管足孔が4対であるのに対してエゾバフンウニは5対あることで見分けられる。)

この海からきたのだなあ!

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# by ai-viaggio | 2015-09-16 22:55 | '15北海道

昆布森の羅臼

知床峠から羅臼の方に降りてゆくと空気が変わる。
羅臼の町は、冬が濃く透けてみえる町だった。
たたきつけるような激しい吹雪と海鳥たちの甲高い声。
知床にも冬の情景を感じるところは多くあったけれど、何か質感が違う。

昼下がりの漁港はとてもしずかだった。
しずまりかえった港に山積みにされているトロ箱や、たくさんの網、フォークリフトなどを見ていると
戦場のように激しい朝の光景や荒くれた海に立ち向かう男たちの声が聞こえてくる。
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羅臼町から車で海岸沿いの道を走り、相泊温泉を目指す。ここは車で行ける最果ての場所。
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道中で。番屋の前にずらりと並べられて干されている羅臼昆布。


相泊温泉は海のすぐ傍に掘られた本当に小さな温泉で、浴槽に簡素な小屋掛けがあった。
足湯でもと近づいていき、思わず眼を見張ったのと同時に勢いよく足を滑らせる。
海岸全体に大量の昆布が打ち上げられ、浴槽周辺を埋め尽くしていたのだ。写真がないことが残念・・。
(バランスを崩して危うく岩に頭をぶつけるところだった。北の果てでぬめる昆布に足をとられて気絶する、を想像。何とシュールな画だったことだろう!)
昆布はヌルヌルと光り、あたりは昆布の匂いが立ちこめていた。
このあたりの海はさぞよい昆布出汁の味がするのではないだろうか。

じっと見ていると狂気に近いようなエネルギーが感じられ、この昆布森が目の前の海に広がっていることを想像すると
うつくしくておそろしかった。
命を育む昆布森の熱量はなんと大きなものなんだろうか。

相泊温泉を後にして、少し戻ったところにあるセセキ温泉に向かうが、ここも潮が満ちていて残念ながら入ることはできなかった。すばらしく野趣あふれた温泉。(北の国からのロケ地でもある。)

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セセキ温泉


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いくつかの浜辺に立ち寄りながら、漂着物を探して歩く。石を手にとると、皆まるく削り取られ、スルスルと滑らかだった。
大きくうねる波が海岸に押し寄せる度に、ガラガラガラガラと石が激しく打ち合わされ、雷のような音がする。

感傷など吹き飛ばしてしまうような むき出しの海と、その恵みや厳しさを受けて暮らす羅臼の人々を、これから昆布を見る度に思い出すだろう。




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# by ai-viaggio | 2015-09-14 13:38 | '15北海道

羅臼湖へ

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青空の羅臼岳

羅臼湖トレッキングの日は最高の晴れ。ネイチャーガイドさんにお願いし、個人ではなかなか行きにくい原生林の深部、秘境の湖へ行くことに。冬期は羅臼湖へ通じる道路が全面通行止めとなるため、ここを歩けるのは6〜10月に限られる。標高差はそんなに無いが、道がぬかるむことが多く、植生保護のためにも長靴で行くことになっている。この日は乾燥していたが、雨が続くと膝下近くまで泥に埋まることもあるようだ。
トレッキングは羅臼湖までの道を散策しながら約4時間かけて、往復6km程度歩くというもの。

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美しい三の沼、周辺にはワタスゲがふわりふわり揺れている。

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エゾアカガエル


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このあたりはアヤメの群生地だったが多くが鹿に食べられたとのこと。


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ツルコケモモ

大阪出身(地元が近い!)ガイドの若月さんのお話は終始おもしろく、羅臼湖周辺の動植物のことをたくさん知ることができた。知床の夏は短い。羅臼湖の周りはゴゼンタチバナやナナカマドが紅葉をはじめ、アカミノイヌツゲやツルコケモモの実が赤く熟しはじめていた。花はアキノキリンソウ、ノコギリソウ、ナガボノシロバナワレモコウ、サワギキョウがまだ咲いていて、エゾリンドウがちらほら咲き始めていた。
(ああ。植物の名前は本当に難しい。図鑑を見ていても全然覚えられないのに、その場で教えてもらったり、いろいろなお話を聞きながらだと今でも覚えていることにビックリ!若月さん、ありがとうございます。魔法のよう。)


もう少し気温が下がれば、あっという間に紅葉がそこかしこを黄色や赤にそめ、羅臼岳は雪帽子をかぶるのだろう。


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知床最大の湖羅臼湖。この奥はほぼ人が立ち入ったことのない未知の場所。

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海を少し越えてすぐそこには国後島。ほとんど調査の入れない国後島には白黒のマダラの熊が何頭もいるようなのだ。ホッキョクグマとヒグマの混合種、もしくは独自に進化を遂げた熊なのだろうか。

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若月さんが最後に、急な坂を一気にのぼり、周囲を展望できる小高い場所へ連れていってくださった。
羅臼岳とその向こうにオホーツク海、そして見渡す限りの森。
山と海と森。
流氷が運ぶ豊富な栄養分はプランクトンを育て、それをめがけて鯨やイルカ、シャチ、海獣、海鳥が集まってくる。海でエネルギーと栄養を蓄えた鮭やマスは川に遡上して、熊やオオワシ、オジロワシなど多くの生き物を育む。そして、生き物たちの糞や死骸が森を豊かにする。
知床が世界自然遺産に登録されたのは、その生態系と、稀少かつ多様な生物群、またその保全管理体制が評価されてのことだと教えてもらった。

海岸が少なく、山からすぐ断崖へ落ちるような知床半島の急峻な地形が、決して広くない範囲の中で多種多様な生き物を育んでいる。
命の循環を、こんなにも肌で感じられる場所があるということが ただただ嬉しかった。






pikkiの若月愛さん、本当にありがとうございました。すばらしいガイドさん。いつかまた違う季節にも知床に行って、若月さんにガイドをお願いしたいなあ。

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# by ai-viaggio | 2015-09-09 22:15 | '15北海道

鹿よ

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ウトロ知床五湖間では多くのエゾシカと遭遇した。薄茶色の毛並がうつくしく、ほとんどは子鹿を連れた母鹿で、その仲睦まじい姿に心があたたまる。

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しかし、それにしても数が多すぎる。加えて、あまりに人間を怖がらないことに違和感を覚える。
その後、知床のガイドさんにお話を聞くと、温暖化の影響もあり、やはりエゾシカが爆発的に増えているようで、農作物の被害や植生破壊は深刻だ。現在、北海道で有害駆除されているエゾシカは狩猟と合わせると1年に約14万頭にものぼるという厳しい現実がある。エゾシカの増加はオオカミを絶滅に追いやってしまったことも大きく関係しているだろう。(そうではないという意見もあるけれど。)


滋賀の山でも鹿による植生破壊は深刻だ。山菜はどんどん少なくなり、トリカブトなどの毒草が勢力を拡大している。驚くべきは、最近トリカブトや水仙(アルカロイド系の毒がある)を食べる鹿が現れているようなのだ。もちろん、まだごく一部の鹿だと思うが、解毒作用を持つ鹿が出てきているなら、これは大変な変化だと思う。
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種として鹿はこれからどうなっていくのだろうか。大昔からの生物の爆発的な増加や減少の歴史に、考えるヒントが隠されているのかもしれない。

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# by ai-viaggio | 2015-09-08 23:58 | '15北海道

知床五湖

知床五湖はバリアフリーの木道を歩く短いコースと五湖すべてを歩く長いコースがあり、長いコースを歩くには最低限の装備とレクチャーを受ける必要がある。8/1〜10/20までは植生保護期にあたるが、レクチャーを受ければガイド無しでもトレッキングをすることができる。(※ヒグマ活動期、子育てなど特に活発に活動する時期はガイドツアーでなければ歩くことが出来ない。)
木道コースはツアー客などでにぎわっていたが、夏休みも終わりに近づき、長いコースを選ぶ人は少なかった。
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レクチャーの様子 ヒグマ活動期でないとはいえ、一週間に目撃されたヒグマ情報は少なくはない。

ヒグマのことを中心に10分程度のレクチャーを受け、知床五湖の森へ入る。晴天に恵まれた日中の知床はまだ気温が高く、歩いていると半袖でも汗ばむほどだった。時折樹々を揺らす風が心地よい。

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五湖の森は静かでやさしい。訪れる者を受容するようなやわらかさと共に、姿は見えなくともヒグマたちがどこかにいるということが森に緊張感と奥行きをもたせている。周囲の音に耳を澄ませ、集中しながら歩く時間は、人間としての自分の命を意識する時間でもある。

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この日は風も弱く、しずかな湖面に映る知床連山がとてもうつくしかった。

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ああ、眼にうつるこの風景のなかにどれだけの生き物がいるだろうか。ヒグマにシマフクロウ、エゾシカ、キタキツネ、アカゲラにクマゲラ、ヤチネズミ・・・そのことを想像できるということは なんて幸せなことなのだろう。


知床五湖公式サイトはコチラ

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# by ai-viaggio | 2015-09-08 17:09 | '15北海道

キムンカムイ

清里町を出て車で1時間すこし走り、いよいよ知床ウトロ市街に入った。

ウトロに入ったら急にいろんな動物が出てくるよ。
ロッジのオーナーの言葉を思い出し、アクセルをゆるめ、窓を全開にして神経を外に集中させる。
ウトロの町は知床の玄関口で、すぐそこまで迫る山と海の間に民宿やホテルなどが点在する つつましやかな温泉街だった。
ウトロ=ウトゥルチクシ (Uturu-ci-kus-i)  アイヌ語で「その間を-我々が-通る-所」という意味の場所。
ウトロの港に差しかかると三角岩、オロンコ岩、帽子岩、ローソク岩など大きな奇岩が不思議な存在感を持って迫ってくる。かつて陸路が無かった頃、人々はこの岩の間を通って海との間を行き来していたのだろう。潮の強い匂いが突きあげる。オホーツク海の波は荒い。冬の風はどんなに激しく冷たいことだろう。

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ウトロ市街を通り抜けてすぐの橋に差しかかった時、何人か川の方を見ている人がいることに気付いた。もしかしてカラフトマスの遡上だろうかと期待に胸を膨らませて、車を脇に寄せて降りてみると
なんということだろう。
3匹のヒグマが悠然と川を歩いていた。
突然のことで、目の前の状況がすぐに飲み込めない。
橋の上から川縁のヒグマまでは200mくらいだろうか。慌てて双眼鏡を取り出し、焦点をあてる。
目の前に大きくクローズアップされた熊の姿からは、体温や息づかいまでもが伝わってくる。
熊の毛は光をうけて金色にかがやいていた。

感動とともに不思議な気持ちが胸を衝く。
それはうまく説明のしようのない、熊の前に行ってひれ伏したいような思いだった。
畏れにも似たなにか。
それは自分の命が、生態系の頂点にいる熊を、本能的に感じた瞬間だったのかもしれない。

熊たちの背後にはおおきな森があり、海へ流れ込む透明な川があり、熊たちの住む山があった。
それは信じられないほどうつくしい風景だった。
熊のうつくしさは、熊の生きる森の深さであり、海の豊かさそのものだったからだ。
キムンカムイ、アイヌ語では熊を山の神という。
熊の生きる風景がここにある。
そのことに激しく、強く勇気づけられていた。

きっとこれから先、何度もこの風景を思い出すだろう。満天の夜空の下に佇む熊たちの姿、ふかい雪と大地の間で身体を丸めて眠る熊たちの姿が何故かありありと心に浮かぶ。

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しかし、ヒグマが山からウトロ市街にも時々出没するようになってきたことは、知床の問題のひとつでもある。知床を訪れる人が、熊やキツネにお菓子や餌をあげることがあり、その結果人間に慣れ、近づいた熊は殺さざるを得ないのだ。知床で人間とヒグマがこれまでそうしてきたように、距離を保ちながら共存していけることを心から願い、今知床の皆さんが懸命に呼びかけている文章を添付します。

人から与えられた食べ物をヒグマが食べる-
それがどんな結果を招くか、考えたことがありますか?
ヒグマは賢い動物です。
人から与えられた食物の味を知ってしまうと、
人間のところに行けばおいしいものが手に入ると考えるようになります。

このようなヒグマは、やがて人間を攻撃して食べ物を無理やり手に入れようとして
事故を引き起こすことが知られています。
観光客や地元の住民に危害を与えるヒグマは殺さなければならなくなります。
不幸な事故をなくすため、不幸なヒグマの死を防ぐため、ヒグマにえさを与えない。

知床を訪れる私たちの約束です。



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# by ai-viaggio | 2015-09-07 23:15 | '15北海道

オホーツク海

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# by ai-viaggio | 2015-09-07 19:27 | '15北海道

斜里岳

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目の前に斜里岳を望む宿は素朴で居心地がよかった。夕方、宿の犬ムギを連れて、近くまで散歩に出かける。
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その日は満開に揺れる月見草にふさわしい、まんまるのお月さまが深い闇のなかに浮かんだ。

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ムギ、いつまでも元気で。


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# by ai-viaggio | 2015-09-07 18:34 | '15北海道

さくらの滝

摩周湖斜里線を神の子池から清里方面へ走ると、さくらの滝という小さな看板。
矢印の方向へ曲がり農道をどんどん奥へ進んでいくと、滝音が近くなってくる。
ひらけた空き地に車を停め、樹々の間を降りると目の前の風景に息を呑んだ。
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サクラマスだ。
自分の体長のおそらく7倍以上の高さの滝に向かって必死にジャンプを繰り返している。5秒に一回ほど黒い(時に赤い)姿態が宙に舞う、その度に思わず拳をにぎりしめる。
あるものは瀑布にはじき飛ばされ、あるものは滝壺に巻かれて飛ぶことができない。
それでも、彼らは決してあきらめることなく、ただただ滝に向かって身体を躍らせつづける。
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川で生まれ育ったヤマべたちは海へ出てサクラマスとなり、毎年この川には産卵のために約3000匹のサクラマスが遡上するという。滝登りに成功して、より上流で産卵できるサクラマスは全体の1割にも満たない。それでも、彼らは身体がボロボロになるまで滝登りをやめない。
あきらめるあきらめないではなく、結果がどうこうではない。それは、すこしでも上流で産卵するという生命の意志であり、種の思惑だ。
サクラマスがサクラマスを生きる。
上流へ進むことを決して疑わない、
ただ一直線の生命の圧倒的な強さがそこにはあった。
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# by ai-viaggio | 2015-09-07 18:15 | '15北海道

しじまの星

女満別空港に降り立つと、空気が澄んでいる。
秋の気配がいちだんと濃い。
カラマツ、白樺、ポプラ、樹々の一本一本に胸を躍らせながら、乾いた北国の空気を肺の奥深く吸い込んだ。レンタカーの手続きをして、一直線に清里町を目指して走る。
釣りの師匠、Kさんたちの馴染み深い場所だ。

神の子池。
浅葱群青、水群緑、水浅葱・・
岩絵具でこの色を表現するとしたらどんな色を使えばいいだろう。
膠で絵具を練って、神の子池の水をひと掬い落とせば、ほんのすこし近づくことができるだろうか。

摩周湖からの地下水が湧き出ている神の子池の水温は、年間を通して8度以上になることはない。そのため、水中に沈んだ樹はいつまでも腐ることがなく、化石のようにしずかに時を刻んでいる。

澄みきった水底には等間隔に並ぶ魚影。時たまひらりと翻した腹が銀色にひかる。
北海道にのみ住むオショロコマだ。岩魚の仲間でよく似ているが、分類学上はオショロコマと岩魚に分かれ、岩魚とはミヤベイワナ、アメマス、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、ゴギ(山陰)、キリクチ(紀伊半島)に分類されるそう。
7種のなかで最も冷水が住むのに適していると言われるオショロコマ。
清麗なしじまに沈む魚影は、夜空に浮かぶ銀の星に見えた。

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# by ai-viaggio | 2015-09-07 16:39 | '15北海道

Chiesa di San Bernardino

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ウルビーノは小さな町で、細い裏通りやいくつかのちいさな教会をほとんど全てまわり、スケッチをし、ゆったりと時間を過ごした。まだたっぷりと残る時間をどう過ごそうと、インフォメーションでもらった冊子を見ていると古い教会の写真に惹きつけられた。
調べてみると、ウルビーノの町の城壁から外に出て、小さな丘を越えながら、2.5kmほど歩いたところにあるようだ。ホテルの人や町の人に尋ねてみると、ある人はひどい坂なので歩いていくのは不可能に近いと言い、ある人は30分強で行けると言う。
時間もあることだし、行けるところまで行って、膝の痛みと相談しながら無理なら引き返そうと出発する。

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城壁の門から坂道を下り、ウルビーノの町がどんどん遠くなってくる。光が射し、雲が影を落とす度に丘の波がうねるように迫ってきて圧倒される。
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本当にこれで合っているのだろうかと、何度も地図を見る。歩いていく人など誰もいないのか、途中が省略されていておおまかな道しか書かれていないので非常にあやしい。車しか通らないアスファルトの道の両サイドは、そのうちオリーブ畑やイタリアらしい赤土の大地となり、そのうち車さえも通らなくなった。細い道に迷い込み、軌道修正したものの、今度はどなたかの邸宅への坂道に侵入しかけ、もうこれは無理かとあきらめかけたとき、ようやく小さな看板を見つけた。
Chiesa di San Bernardino Mausoleo dei Duchi
最後の長くカーブした坂道を登りきり、這々の体で辿り着いた小さな教会は、とても素朴でやさしかった。落ち着いた石組みの色は丘の風景によく似合い、海の灯台のようでもあった。スケッチをもとに、きっといつかこの教会の絵を描くことがあるだろう。
歩いてよかったなあ。何気なく身体で吸い込んだ空気、今は朧でも意識の奥からふと鮮やかに蘇るだろう。
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ウルビーノの町に帰り、城壁から教会を振り返ると夕方の光が教会を照らし、丘と森の風景のなかでそこだけが白くひかるようだった。
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Chiesa di San Bernardinoーーーウルビーノ城壁の教会に一番近い門を出て徒歩約50分。看板などは教会にかなり近づいてからしか無いため、非常にわかりにくいです。正確な地図がない場合、アップダウンもあるため、タクシーをおすすめしますが、歩きながら振り返るウルビーノの町や丘のうつくしさは格別です。
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# by ai-viaggio | 2014-02-20 23:27 | '13Italia-Urbino

Urbino

ラファエロの家の前の坂を上まで登りきるとPalazzo ducaleとウルビーノの町を見下ろす公園に出る。
風が空を一吹きする度に、雲はかたちを変え、間からこぼれる強い光の束がまっすぐに町を照らしていた。
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# by ai-viaggio | 2014-02-20 22:36 | '13Italia-Urbino

Ricordo

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ラファエロの坂道を降りた教会の横の広場で何やら屋台が出ている。
近づいてみるとなんとトリュフではないか。
値段を聞くと、日本ではとても手が出ないけれど、それだったらすこし買える!
おじさんは、その日の朝に採りたてのトリュフとのこと(!)をもそもそと説明してくれ、一番大きなものが入っている瓶を探してくれた。
塩蔵ではなく生なので、帰国までの日をかぞえ、届けたい人の顔を思い浮かべ、とても嬉しい気持ち。
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そして、坂を降りきり、真ん中の広場を抜け、まっすぐ少し歩いて左には小さな骨董屋さんが。
感じ良く、ひとつひとつ説明してくれるシニョーラから母は銀のナイフセットを求め、私は糸巻きと、鈍く光る貝殻を連れて帰ることにした。
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# by ai-viaggio | 2014-02-20 22:24 | '13Italia-Urbino

ウルビーノの食

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ウルビーノは魚介のヴェネツィアとはうってかわり、ポルチーニやトリュフ(ちょうど秋だったのでまさに季節!)と肉料理の町!
しかも、小さな町だけあってトラットリアもとても良心的なお値段。
ポルチーニのパスタ、ラビオリ、ああ、今思い出してもよだれが出そう。
一番下の写真はポルケッタと言って、豚の丸焼きの輪切り。
ローズマリーやフェンネル、胡椒が効いていてすばらしくワインがすすむお味だった。
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# by ai-viaggio | 2014-02-19 00:51 | '13Italia-Urbino

Raffaello

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ウルビーノの真ん中の広場からつづく、かなり急な坂道の途中にラファエロの生家がある。
置かれている作品はほとんどが複製なのだが、ラファエロのフレスコ画の実物が一点ここにあって、とても見たかったのだ。

ラファエロが若き日に描いた、初めての聖母子像。

その部屋は空気が澄んでいるようだった。
静けさがいちだん濃くなった。
ふりかえってこの絵を思う時、こちらからあちらに向かってまっすぐに伸びるしずかな回廊を思う。
死を抱いた生と生を携えた死と、そのあわいの祈り。

この絵に逢えてよかった。
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# by ai-viaggio | 2014-02-18 20:48 | '13Italia-Urbino

Flagellazione di Cristo

ヴェネツィアから二泊ウルビーノへ。
ウルビーノは主要都市からやや行きにくい場所にあり、ずっと行きそびれていた町だった。
ヴェネツィアからボローニャ経由の電車でペーザロに出て、そこからバスでウルビーノへ。結局5時間近くかかっただろうか。
うねるような丘や山の波の頂にぽつんとある小都市ウルビーノは、小さいながらも学生の活気に溢れていた。ラファエロの産まれた町でもある。

ピエロ・デッラ・フランチェスカに会いに国立マルケ美術館へ。

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ずっと図版で見ていたピエロの”キリストの鞭打ち”は何となく大きな壁画を想像していたけれど、実物は59x82cmのかなり小さな絵だったことにとても驚く。
石造りの誰もいない美術館。古いガラス窓からの光が心にのこる。
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# by ai-viaggio | 2014-02-18 20:19 | '13Italia-Urbino

ヴェネツィアを訪れたら、必ず彼の額を買う。
アーティスト兼手づくり額を作っている彼のアトリエは、いつもごったがえしていて絵具だらけの机の向こうに、熊のような体と器用な指先、強面だけどやさしい笑顔がある。
他にもヴェネツィアにはふたつ額屋さんがあり、行く度に寄っていたのだけれどふたつとも潰れていてとてもショックだった。お気に入りの古本屋も姿を消していた。
変わらないヴェネツィアにも、手仕事や本屋業の厳しさがひたひたと押し寄せていたことに動揺した。本屋さんと少し話をすると、最近本はインターネット注文が急速に多くなり、店舗が必要なくなってきていると言っていた。

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# by ai-viaggio | 2014-02-18 00:07 | '13Italia-Venezia

Bacaro vol.2

ヴェネツィア一古い、バーカロ発祥の地、cantina de mori(ド・モーリ)。
店の外には店内に入りきれない人が溢れかえっている。まるで犬も杓子もド・モーリ。
あまりの熱気におずおずと店内に入ると、店員さんというより、まるでマエストロのような白髪の初老の紳士が”シニョリーナ!プレーゴ!”とやさしく微笑んでくれ、一気に心がほどける。(すみません、私はシニョーラですがきっと高校生くらいに見えますよね・・。)
天井から所狭しと吊るされた銅鍋、樽のなかのどっしりしたワイン瓶。ふりつもる時間と共に何千何万の人の愛と笑いと涙が染み込んだようなカウンター。
あまりの人でチケッティのボックスの方には近づけなかったのだけれど、1杯の赤ワインの幸福な味。
愛されつづける店とはこのような店のことをいうのだなあ。まるで路地裏の宇宙。
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おじさんにまみれて飲むわたし・・
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# by ai-viaggio | 2014-02-17 23:51 | '13Italia-Venezia

Bacaro vol.1

ヴェネツィアで今回絶対したかったのがバーカロ巡り。バーカロとはヴェネツィア独自の立ち飲み居酒屋で、カウンターのチケッティ(小皿料理やパンの上に惣菜がのっているおつまみ)をつまみながら安価にヴェネツィアワインを楽しめるのだ。
雰囲気は日本でいうガード下の居酒屋と言えばいいだろうか。
バーカロは大体朝から開いていて、地元のおじさんたちがたむろしながらワインを一杯、二杯ひっかけ、仕事のあいまに(仕事してるのか!?)世間話をしては渡り鳥のように次の店に消えてゆく。

一軒目はアカデミア近くの古き良きバーカロ gia schiavi。
フランスパンの上に小エビのマリネ、マスカルポーネにフルーツ、アーティーチョークやトリュフが載っているチケッティはどれもすばらしく美味しい。大体1.5Euro前後。ワインも1杯同じくらいの値段。
トラットリアとの、なんたる値段の違い!
さて、ヴェネツィアにはフラゴリーノというワインがある。野いちごのような香りがする甘口の微発砲ワインで、赤白両方ある。アルコール度数が低く、イタリアのワイン法では製造が禁止されている密造酒なのだけれど、ヴェネツィアではこっそりと飲むことができるのです。
個人的にはプロセッコの方が好きだけれど、店員さんが奥のほうからラベルなしの、いかにもな瓶を取り出して注いでくれるのは、何だか特別でドキドキしてしまう。

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# by ai-viaggio | 2014-02-17 22:37 | '13Italia-Venezia

IMAGO MUNDI

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"Imago Mundi"(イマゴ・ムンディ)
第55回ヴェネツィア・ビエンナーレCollateral Event

期間:2013年8月27日(火)〜2013年10月27日(火)
場所:Fondazione Querini Stampalia /Italy

じゅんと夫婦で参加させていただいていたグループ展へ。
とても小さな小さな絵だったけれど、自分たちの絵とヴェネツィアで再会できるなんて本当に嬉しかった。絵はベネトン財団に寄贈となりました。

これはオーストラリアの作家コーナー。
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右上の猫の絵が忠田愛作、見えないけれどリバーシブルで裏はすみれの絵。
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左のドローイングが稲富淳輔作、裏には立体のぼさつさまが埋められています。
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# by ai-viaggio | 2014-02-17 22:21 | '13Italia-Venezia

Portici

ヨーロッパに行くといつもうつくしいと思うもののひとつ、portici(回廊)。ヴェネツィア弁でいうとportego(ポルテゴ)。リアルト、魚市場周辺。

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この近くにとっても美味しいチーズ屋さんがあります。少し高いけれど間違いなし!ここのチーズはどれも本当に濃く、美味しかった!ただ、イタリアのマンマ達がカウンターに群がり、あれを何百グラムこれを何百と叫んでいるなかで、割って買うのが少々大変。
Casa del Parmigiano
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# by ai-viaggio | 2014-02-17 22:06 | '13Italia-Venezia

Acqua alta

ヴェネツィア名物アクアアルタ(高潮)のサンマルコ広場。

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# by ai-viaggio | 2014-02-17 22:03 | '13Italia-Venezia

トラゲット

昔と比べると、ヴェネツィアの水上交通、ヴァポレットやゴンドラの料金はほんとうに高くなった。ヴァポレットは1時間7Euro(1000円弱)、24時間20Euro(3000円弱)。
観光用のゴンドラは40分で80〜100(10000〜14000円)Euro位だという。
今回はヴァポレットの2日券を買い、その2日の間に遠くをまわり、後はすべて徒歩で島中を歩き回った。長く歩くと、また膝の調子が悪くなり橋の登り降りに苦労したけれど、自分の足だけをつかって朝から晩まで歩くということは本当におもしろい。すこしずつ、すこしずつヴェネツィアがかたちを結んでゆく。
本屋さんで、小さな通りまでヴェネツィアを細かく網羅している地図を手に入れ、人通りの少ない路地裏を選びながら毎日よく歩いた。それでも、今まで歩いたことのなかった美しい通りがまだまだあることに何度も驚いて。

ヴェネツィアの水路をゴンドラが行き交うのを見ると、それは観光用であっても胸がときめく。なんといっても形が素敵だ。そして音もなくしずかに水面を滑るのがいい。石造りの建物に反響する、櫂を操るときの木擦れの音は、ずっとふるい時代につながっているかのようだ。
観光用のゴンドラは値がはるので難しいけれど、トラゲット(渡し舟)を使えばゴンドラに乗ることができる。ヴェネツィアの大運河には橋が4つあるが、それ以外の場所で向こう岸に渡りたい人のために何カ所か渡し舟があるのだ。向こう岸まで2分ほどの短い舟旅だけれど、トラゲットは生活に根ざしたゴンドラで澄ましていないのがいい。向こう岸まで2Euro。原始的な左右の揺れは、水を渡るということに なんて真摯なんだろう。

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# by ai-viaggio | 2013-11-05 22:52 | '13Italia-Venezia

街あるき

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感じていることや匂い、音、
あとで見たときに、より近い感覚に戻れるのは白黒の写真のほうだなあ。
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# by ai-viaggio | 2013-11-05 22:16 | '09Italia-Venezia

トルチェッロ

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ヴェネツィア本島からヴァポレットで約一時間。
今回もトルチェッロ島へ。
何があるという訳でない。
教会までつづく長い一本道、道に沿って何軒かのトラットリアがあるけれど
バカンスシーズンを終え閑散としている。
それ以外はただただ、湿地と野原があるだけ。

小雨が降っていて寒い。

何があるという訳でないけれど だから
ヴェネツィアに行くと、トルチェッロに行きたくなる。
ヴェネツィア共和国はかつてトルチェッロからはじまった。

5世紀頃のこと、フン族から逃れるため本土の人々はラグーナにあるトルチェッロに逃れ、湿地を開拓し、干潟を固め、住むことを決めた。そして、ヴェネツィア共和国が誕生し、ここは都の中心となった。そのあと、中心はより安全なリアルト(現ヴェネツィア本島)へと変わったのだ。
時の流れの不思議。

トルチェッロの教会がとても好きだ。
樹のようにトルチェッロに根を生やし、黙って微笑んでいる。
変わらない。
塔の修復工事は四年前もしていたけれど一体いつ完成するのだろう。
ひとつ変わったことは、島の猫たちのために二つ小屋ができていたこと。

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# by ai-viaggio | 2013-11-02 01:08 | '09Italia-Venezia

第55回Venezia Biennale

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ヴェネツィアビエンナーレへ。企画責任者キュレーターが毎回異なるビエンナーレ、今回はイタリア人のマッシミリアーノ・ジオーニ。史上最年少の40歳だという。
今回は、アールブリュット(アウトサイダー美術)を取り入れプロのアーティスト作品と混ぜて展示したことが特徴的だ。
四年前と比べてかなり変化を感じたのはアニメ、イラスト的な作品(美少女など)がほぼ無かったこと。
今年はドローイングやインスタレーション、映像作品が割合多く、ところどころにクラシックな平面、彫刻作品が見受けられた。
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ヴェネツィアビエンナーレを見るむずかしさ、いつも感じることはヴェネツィアの街への感動が満たされているなかでなにかを見ようとする時、どうしてもそのことと無意識的に比較してしまうらしい。ずっと見続けていたいようなもの、さびない光を宿しているもの、そういったものをより強く求めてしまう。
個人的にぐっときたのはHans Josephsohnの立体。
立ち現れてくるかたちを、いかに信じるか。未完の完ともいうべき、その絶妙な塩梅に多くの示唆をいただいた。

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日本館の展示はこちら
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# by ai-viaggio | 2013-10-23 11:07 | '09Italia-Venezia